返礼品の豪華さが話題になったことで、知名度が上がったふるさと納税。
制度としては自治体に対する寄付です。
制度ができた発端は、故郷を離れて都会で暮らす人が、故郷に納税したい・恩返しがしたいとの思いです。
発端はそうですが、故郷以外にも自己負担額2,000円で応援したい自治体に寄付できます。
なお、寄付する金額に上限はありません。
しかし、自己負担額 2,000円で寄付できる金額には上限があり、その額は所得金額や所得控除額によって変わります。一般的に限度額と言われているのは、この上限のことです。
このブログでは、ふるさと納税の限度額の計算や手続き方法などを、現職の税理士が説明します。
参考になれば嬉しいです。
ふるさと納税の限度額
ふるさと納税の限度額(自己負担額2,000円)の計算は、次の表のとおりです。

課税される所得金額の具体的な計算は、以下のとおりです。
◎ サラリーマンの方で、年収が前年とほぼ同額のケース
毎年6月初め頃に、住まいの市区町村から届く住民税通知書をご覧ください。
そこに書かれている合計所得金額と所得控除額の合計で計算します。
(合計所得金額)ー(所得控除額の合計)= (課税される所得金額)
◎ 給与所得の源泉徴収票が手元にあるケース

(② 給与所得控除後の金額)ー(③ 所得控除の額の合計額)=(課税される所得金額)
計算例① 課税される所得金額が400万円。
「330万円超 695万円以下」の限度額は、
400万円×0.02874+2,000=116,960円。
計算例② 100万円では、25,550円。
計算例③ 200万円では、49,175円。
計算例④ 300万円では、77,180円。
(注)所得税の税率の境目のケースは、2回の計算になります。
例えば、200万円のケース。
195万円の部分は5%で、
195万円×0.02355=45,922円。
残り5万円は10%で、
5万円×0.02506=1,253円。
45,922+1,253+2,000=49,175円
※自己負担2,000円は1回だけ加算します。
なお、念のため、お住いの市役所の市民税係に確認願います。
【出典~国税庁のホームページ】
【出典~総務省ふるさと納税ポータルサイト】
ふるさと納税の方法
ふるさと納税の中身は、応援したい自治体に対する寄付です。
(注)
注意を要するのは、過去に行き過ぎた返礼品(金額割合)が問題とされ、ごく少数ですが、総務大臣から指定されていない自治体があります。
指定されていない自治体には、寄付はできますがふるさと納税の減税がありません。
ふるさと納税の方法は、
①応援する自治体のホームページなどを確認
- 希望する返礼品を探す
- 寄付金の使途に賛同できる自治体を選ぶ
②自治体の窓口に連絡、寄付の方法等を確認
- 寄付先の振込口座
- 返礼品の内容、品切れ状況など
- ワンストップ特例の手続き方法
- 翌年の住民税の寄付のタイムリミット
※「ワンストップ特例」は後述します。
※返礼品は一時所得になりますが、年間50万円までは控除があります。
③自治体から受領書・領収証が郵送される
※寄付は、納税者本人が行ってください。
受領書の名義が納税者本人以外は無効です。
④寄付の翌年、所得税の確定申告で寄付金控除を受ける
寄付金控除=寄付額ー2千円
※確定申告書第2表に必要事項を忘れず記載。
※寄付の上限は、所得税は総所得金額等の40%、住民税は30%です。
⑤確定申告情報が住まいの市区町村に通知
この情報を基に翌年度の住民税が計算され、6月初め頃通知書が届きます。
★限度額以内のふるさと納税では、自己負担額2,000円を超える金額は、所得税と住民税の減税を受けます。
所得税は、確定申告での寄付金控除。
なお、住民税の計算には、基本分と特例分があります。
⑴ 基本分
(寄付額ー2千円)×10%
⑵ 特例分
(寄付額ー2千円)×(100%-10%-所得税率)
※所得税の税率には、復興税が加算されます。
税率は、人的控除額が所得税と住民税で異なるため、誤差があります。
※特例分は、住民税所得割額の20%が上限。
※所得税の確定申告をしないケースは、ワンストップ特例を利用します。

ワンストップ特例
普段は年末調整のみで所得税の確定申告をしない場合でも、ふるさと納税を利用できる特例。
自治体に寄付する際に、ワンストップ特例の申請書を提出します。
すると、寄付を受けた自治体が、寄付者の住まいの市区町村に、ふるさと納税の内容を連絡してくれます。
これにより、翌年度の住民税が減額されます。
(注)
ワンストップ特例は、ふるさと納税する自治体が5団体までです。それを超える場合は、確定申告になります。
ふるさと納税の時期によっては、翌年の住民税に間に合わないことがありますので、自治体にタイムリミットを確認する。
まとめ
このブログでは、ふるさと納税の限度額などを取り上げました。
参考になると嬉しいです。
なお、お困りのことがありましたら、気軽に問い合わせてください。
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