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上場株式の売却は分離課税の譲渡所得、計算方法を具体的に説明します

株式の譲渡所得
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このブログでは、ご主人が上場株式を譲渡した場合の課税関係を説明します。

所得の種類は譲渡所得で、「株式等の譲渡所得」になります。


計算は、給与所得や家賃収入(不動産所得)などとは別計算(分離課税)になります。

土地や建物の譲渡も分離課税ですが、それらとも別に計算します。

つまり、株式等だけの利益計算・税額計算になります

(注)申告書は給与所得などと同一のものになります。





「株式等の譲渡所得」の計算

株式等の譲渡所得は次のように計算します。

つまり、値上がり利益が税金の対象です



「株式等の譲渡所得」は、「上場株式等」「一般株式等」に区分して計算します。

これらの計算式は同じで、税率も同じです。

  1. 「上場株式等」(上場株式等を証券会社等で売買)
  2. 「一般株式等」(上場株式等の個人間売買や非上場株式の売買)

※税率は、所得税15%+復興税、住民税5%。



しかし、上場株式等には次の2つの特例がありますが、一般株式等にはその適用がありません。

  1. 利益は確定申告不要にできる(源泉徴収で完結)
  2. 損失は3年間繰越して将来の利益と相殺できる


この特例は、以下で改めて取り上げます。

(注)上場株式等と一般株式等の間では、損失と利益を相殺(通算)できません。





「上場株式等」の申告不要制度

証券会社等では、「一般口座」又は「特定口座」を開設します。

「特定口座」では、売却利益からの所得税と住民税の源泉(天引)を選択できます。

そして源泉徴収を選択した場合には、所得税の確定申告を省略できます。

このことを申告不要制度と呼んでいます。

ちなみに、確定申告の税率と源泉徴収の税率は同じです。


【申告不要とするメリット】

◎上場株式等の売却利益が「合計所得金額」に加算されない。

これにより、扶養親族に該当するなど、各種所得要件をクリアできる場合があります。

◎国民健康保険料の計算に反映されない。


⑴一般口座

上場株式等の売却による損益(譲渡所得)の計算を、各人で行う口座。

したがって、利益が出た場合には、自らの計算で確定申告を行う必要があります。


⑵特定口座

特定口座では、売却による損益(譲渡所得)の計算を証券会社等が行ってくれます。

さらに、1年間の損益計算を「特定口座年間取引報告書」として、翌年1月末までに口座利用者に交付・郵送してくれます。

次に、上場株式等の売却による利益が発生した場合、所得税と住民税の源泉徴収を選択できます。そして、選択した口座を「源泉徴収口座」と呼びます。


なお、売却利益からの源泉徴収を選択しない場合を「簡易申告口座」と呼びます。

この場合、所得税の申告・納税手続きは、「特定口座年間取引報告書」に基づき口座利用者が自ら行うことになります。




「上場株式等」の損失の損益通算及び繰越控除

上場株式等の売却による損失は、確定申告することにより、次の①及び②の相殺ができます。

  1. その年の上場株式等に係る配当所得の金額との相殺
  2. 他の証券会社等の上場株式等の売却利益との相殺


しかし、相殺後に残った売却損失は、給与等の他の所得や一般株式等の売却利益と相殺できません

なお、相殺後に残った売却損失は、翌年以後3年間繰越しできます

これにより、確定申告により繰越し、それ以後3年間の上場株式等の利益及び上場株式等に係る配当所得の金額と相殺が可能になります。


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まとめ

このブログでは、上場株式等の売却による譲渡所得について、その計算方法を取り上げました。

少しでも、参考になれば幸いです。


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    kouji
    こんにちは、札幌市在住の税理士の鎌田浩司と申します。 私は相続税、贈与税、譲渡所得などの所得税及び消費税が専門の税理士です。8年前に国税の職場を定年退職して、税理士にWEBライターにと孤軍奮闘中です。 このブログでは、相続税・贈与税・譲渡所得などにお困りの皆様の、参考になると思われる情報を発信しています。 現役の税理士ならではの情報が、皆様のご参考になれば幸いです。