相続税の小規模宅地等の特例を考えます。
この特例には、5つの形態がありますが、それぞれ特例(減額)割合が異なります。
このため、2つ以上が競合して特例に該当するケースでは、有利な選択が可能です。
- 居住用
- 事業用
- 同族会社事業用
- 貸付事業用
- 特定郵便局
前回取り上げた、建物(貸家)が共有のケースでは、どちらも④の貸付事業用でした。
そして、敷地の評価額が自用地(100%評価)と、貸家建付地(79~85%評価)の両方があり、自用地部分を多く選択する方が有利になるケース。
どちらも貸家の敷地であるため、有利な選択が可能でした。
共有の貸家の敷地では、小規模宅地等の特例を相続人有利に選択できる
今回は敷地のみ共有のケース。
建物は、AB共に甲(被相続人)の所有。
共有持分はAとBに按分
土地の共有持分の考え方は、位置を特定できずに土地全体に及ぶというのが一般的。
したがって、被相続人甲の敷地の共有持分も、建物AとBに按分計算し、それぞれ居住用と貸付事業用の対象になります。
※参考
小規模宅地等の特例では、次のように有利な選択が考えられます。
居住用(330㎡まで▲80%)が、貸付事業用(200㎡まで▲50%)より有利。
自用地(100%評価)を減額する方が、貸家建付地(79~85%評価)より有利。
しかし、敷地が共有の今回のケースでは、これらの有利な選択より、共有持分が全体に及ぶことが優先されることになります。
特例対象面積の計算
被相続人の敷地の所有面積は、300㎡の80%で240㎡です。
このうち、居住用が適用できるのは、建物の1階部分の面積按分の160㎡です。
残りの80㎡が貸付事業用の対象になります。
(計算式)
居 住 用;300㎡×80%×200/(200+100)=160㎡
貸付事業用;300㎡×80%×100/(200+100)= 80㎡
なお、2つ以上の形態を選択する際には、特例の限度面積をクリアする必要があります。
居住用のA建物と、貸付事業用のB建物の限度面積の計算は、次のとおりでクリアしています。
(限度面積の計算)
160 × 200/330 + 80 ≒ 177 177<200
【出典~国税庁のホームページ】
被相続人の共有する土地が被相続人等の居住の用と貸家の敷地の用に供されていた場合の小規模宅地等の特例
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まとめ
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