相続税の小規模宅地等の特例で、貸付事業用を取り上げます。
小規模宅地等の特例には、次の5つの形態があります。
- 居住用
- 事業用
- 同族会社事業用
- 貸付事業用
- 特定郵便局
今回は貸付事業用で、建物を貸している貸家のケース。
小規模宅地等の特例の適用は、貸家の敷地です。
【 事 例 】
この事例は、貸家の敷地が400㎡という設例ですが、小規模宅地等の特例の貸付事業用は200㎡が限度です。
ここらあたりの選択が気になるところです。
評価の高い方から適用できる
結論は、評価の高い方から小規模宅地等の特例で減額できる。
つまり、相続人に有利な選択ができることになります。
具体的には、
自用地160㎡+貸家建付地40㎡=200㎡ という選択ができます。
理由・考え方
相続税の評価は異なるにせよ、建物の所有状況などにかかわらず、貸家の敷地は全体が貸付事業用と考えられるからです。
小規模宅地等の特例の計算では、評価額の高い方から選択する方が多きな減額となります。
ここで、高い方から選択してはダメという制限はありません。
したがって、相続人が有利な選択で良いということになります。
(注)
貸付事業用には、次の2つの適用要件がありますので、クリアしていることが前提です。
① 申告期限まで所有していること。
② 申告期限まで貸し付けていること。
【出典~国税庁のホームページ】
共有家屋(貸家)の敷地の用に供されていた宅地等についての小規模宅地等の特例の選択
貸家の敷地の評価
貸家の敷地は、ご主人の単独所有です。
しかし、相続税の計算の際は、建物のご主人の持分に対応する貸家建付地と、奥様の持分に対応する自用地(※)とに分けて計算します。
貸家建付地は、400㎡×3/5=240㎡で、相続税の評価においては、路線価の79%~85%位の計算になります。
これに対して自用地は、400㎡×2/5=160㎡で、評価は路線価100%です。
したがって、評価の高い方から特例で減額できれば、相続税の課税対象金額を少なくできます。
(※)奥様の建物持分に対応する敷地の評価を自用地としましたが、これは、奥様がご主人所有の敷地を無償で借りている(使用貸借といいます)ことを前提にしています。
普通は夫婦間で地代のやり取りをしませんから、使用貸借が多いわけですが、そうでなければ計算は変わってきます。
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忘れずに受けたい「小規模宅地等の特例」は、期限内申告で多額の節税
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まとめ
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