内助の功特例などと呼ばれることがある制度。
ご主人の相続税の計算で、専業主婦だった奥様の相続税が優遇されることが多いため、そんな呼び方がされます。
しかし、それだけではありません。
今回は、そもそも論で内助の功特例を取り上げます。
配偶者に対する相続税額の軽減
内助の功特例は、法律的には配偶者に対する相続税額の軽減というものです。
両者の違いはというと、奥様に限らないこと。
事例としては多くはないかもしれません。
しかし、奥様が先に亡くなられて、ご主人が相続するケース。
奥様からすると、ご主人は配偶者になります。
つまり、特例の対象者は奥様に限らず、ご主人でもOKなんです。
特例の計算は、次の①又は②のいずれか多い金額まで、配偶者は無税というものです。
- 1億6,000万円まで
- 配偶者の法定相続分
★相続税法19条の2(配偶者に対する相続税額の軽減)
内縁の配偶者は?
ご主人でも奥様でも受けられる特例ですが、内縁の配偶者はというと、残念ながら受けられません。
つまり、戸籍上の配偶者に限られます。
★民法739条(婚姻の届出)
婚姻は、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる。
★相続税法基本通達19の2-2(内縁関係にある者)
基礎控除を超える場合
相続税には基礎控除という課税最低限の規定があります。
この家族のケースでは、法定相続人が配偶者と子供さん2人の合計3人になります。
その場合、相続税の基礎控除は、4,800万円になります。
(計算式)
3,000万円+600万円×3人=4,800万円
亡くなった方の財産、つまり、相続財産が基礎控除以内であれば相続税はかからないですし、10か月以内の申告も不要です。
したがって、相続財産の合計が基礎控除を超える場合で、配偶者の相続税額の軽減の特例を受けるケースでは、10か月以内の申告(このことを期限内申告といいます。)が必要です。
つまり、配偶者は、被相続人が亡くなってから10か月以内に財産を相続した場合には、相続税の申告をすることで配偶者の相続税額の軽減を受けることができます。
なお、何らかの事情で、10か月以内に話し合いがまとまらない場合には、3年内分割見込などの緩和手続きがあります。
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2次相続も考慮しましょう
配偶者の相続税額の軽減という特例によって相続税の優遇が受けられます。
しかし、ここで注意を要することがあります。
それは、さほど遠くない時期に、残された配偶者に相続が発生するということ。
この相続のことを2次相続といいます。
2次相続では、再婚していない限り通常は配偶者がいません。
つまり、配偶者の相続税額の軽減の特例が使えません。
加えて、法定相続人が1人減るため、相続税の基礎控除が600万円少なくなります。
このように、2次相続では、予想以上に相続税が発生することがあります。
したがって、最初の相続税の際には、近い将来の2次相続をも念頭に入れて検討することが大切です。
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相続税のプロの税理士へ
相続税のことはその道のプロ、詳しい税理士に依頼しましょう。
相続税は、かなり特殊な税金といえます。
加えて、本当に詳しい税理士、いわゆるプロの税理士が実は少ないこと。
税理士は、全国に約8万人もいます。
しかし、相続税に詳しい税理士はほんの一握りです。
予期せぬ税金がかからないように、プロの税理士にご相談ください。
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まとめ
このブログが参考になることを祈念します。
なお、お困りのことがありましたら、お気軽に問い合わせてください。
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