相続税の課税対象は広範囲です。
亡くなった人(被相続人といいます)の一身専属のものは、相続人が受け継ぐことができないため除かれますが、それ以外はほとんどすべてが相続税の対象になります。
なお、墓地や墓石、神棚、仏壇などの非課税財産と呼ばれるものは、例外つまり課税の対象外です。
ところで、被相続人の亡くなった年の所得税の確定申告は、亡くなった日から4か月以内にすることとなっていて、「準確定申告」と呼ばれます。
この準確定申告では、納めた税金が戻ってくることがあります。
戻ってくる税金を還付金といいますが、この還付金は相続財産になります。
準確定申告の還付金は相続財産
被相続人の準確定申告(※1)で発生する税金の還付金は、被相続人の相続財産になります。
この還付金は、被相続人の相続財産ではないように見えます。
それは、被相続人が亡くなった後、相続人がする準確定申告で発生するためです。
しかし、還付金の中身は被相続人の生前に、被相続人の給与などの収入から天引き(源泉)されたものです。
言い換えると、被相続人の生前に還付金請求権が内在していたと、考えられるためです。
なお、還付金には還付加算金が加算されることがあります。
この還付加算金は、被相続人の生前に起因するものではないため、相続人の雑所得になります(※2)。
※1 所得税法125条(年の中途で死亡した場合の確定申告)
第1項 納税の申告は4か月以内
第2項 還付申告
※2 所得税基本通達35-1(雑所得の例示)
⑷還付加算金
【出典~国税庁ホームページ】
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所得税の還付申告を提出後に死亡した場合の還付加算金は相続財産です
所得税が還付される場合
準確定申告では、元旦から亡くなった日までの収入に対する所得税を計算します。
そこでは、通常の確定申告と同様に社計保険料控除や医療費控除などの控除も適用できます。
結果的に所得税が納め過ぎであれば、還付されます。
納め過ぎの所得税は次のようなものです。
- 給与や役員報酬などから天引きされた所得税
- 年金から天引きされた所得税
- 予定納税で納めた所得税
- 上場株式の売却や配当から天引きされた所得税
相続税の非課税財産
被相続人のほとんどすべての財産が相続税の対象となります。
しかし、国民感情への配慮や課税になじまないものとして、相続税法などが対象外としている非課税財産があります。
非課税財産には次のものがあります。
- 皇位とともに皇嗣が受けた三種の神器
- 墓地、墓石、これらの土地、お稲荷さん、神棚、神体、神具、仏壇、位牌、仏像、仏具、古墳など
- 社会福祉事業や学校を設置し運営する事業を行う人が取得した財産で、公益事業の用に供することが確実なもの
- 心身障害者共済制度に基づく給付金の受給権
- 生命保険金の一定額(500万円×法定相続人数)
- 退職手当金の一定額(500万円×法定相続人数)
- 相続財産などを申告期限までに国などに寄附した場合の寄付した財産
- 相続財産などを申告期限までに特定公益信託の信託財産に支出した金銭
- 相続税の申告期限前に災害により被害を受けた相続財産など
詳しくは、非課税財産を取上げたブログをご覧ください。
【併せて読みたいブログ】
相続税の非課税財産には何がある?節税対策と注意点!まで説明します
相続税のプロの税理士へ
相続税のことはその道のプロ、詳しい税理士に相談しましょう。
相続税はかなり特殊な税金です。
加えて、本当に詳しい税理士、いわゆるプロの税理士が少ないのが実際のところです。
税理士は、全国に約8万人もいます。
しかし、相続税に詳しい税理士はほんの一握りです。
予期せぬ税金がかからないように、相続税のプロの税理士にご相談ください。
相続税のプロの税理士に関するブログもあります、参考になると嬉しいです。
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相続税の税理士選びは3つのポイント、相続税のプロの税理士が説明
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まとめ
このブログが参考になることを祈念します。
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