相続税の計算では、相続人数は大変重要です。
- 基礎控除に直接関係する
- 相続税の総額・適用される税率に直結
- 生命保険金や退職金の非課税枠に直結
そして、相続人の中に養子がいる場合、相続人と数える養子の人数制限があります。
※相続税法第15条第2項。
これは、30年以上前のバブル時代に横行した、養子を増やす行き過ぎた節税策を封じたものです。
具体的には、
- 実子がいる場合は養子は1人のみ
- 実子がいない場合は養子は2人まで
(注)養子であることは否定されません。
養子を特定することはしないで、制限した人数のみで相続税の計算をするというもの。
この養子の数の制限では、実子の判定が難解なケースがあります。
※設例~養子の代襲相続人を実子と判定
- 昭和32年 Cが被相続人甲と養子縁組
- 昭和34年 Dが出生
- 昭和35年 Eが出生
- 昭和43年 Bが養子縁組
- 昭和61年 Eが養子縁組
- 平成X年 養子B死亡
- 令和X年 被相続人甲が死亡
難解なのは、養子の子供であるDとEの実子判定です?
DとEは実子と判定する
養子の数の制限の際に、DとEは実子と判定します。
その結果、相続人はD、E、そして養子のCの3人となります。
DとEは、Cの養子縁組後に出生しておりCを通じて被相続人の直系卑属に当たり、Bの代襲相続人となります。(民法887②)
これにより、DとEは実子とみなされます。(相続税法15条③)
したがって、相続人の数は、実子D、E及び養子C3人となります。(相続税法15条②)
(関係法令)
※民法887条2項(子及びその代襲者等の相続権)
被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、(中略)その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。
※相続税法15条2項(遺産に係る基礎控除)
前項の相続人の数は、同項に規定する被相続人の民法第五編第二章(相続人)の規定による相続人の数(当該被相続人に養子がある場合の当該相続人の数に算入する当該被相続人の養子の数は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める養子の数に限るものとし、相続の放棄があつた場合には、その放棄がなかつたものとした場合における相続人の数とする。)とする。
1号
被相続人に実子がある場合又は被相続人に実子がなく、養子の数が1人である場合 1人
2号 (省略)
相続税法15条3項
前項の規定の適用については、次に掲げる者は実子とみなす。
1号 (省略)
2号
実子若しくは養子又はその直系卑属が相続開始以前に死亡し、又は相続権を失つたため民法第五編第二章の規定による相続人(相続の放棄があつた場合には、その放棄がなかつたものとした場合における相続人)となつたその者の直系卑属
【出典~国税庁ホームページ】
相続税法第15条第3項の規定により実子とみなされる養子の範囲
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まとめ
相続税の計算では、相続人が何人かは重要です。
また、節税対策として、養子縁組によって相続人を増やすことは有効です。
しかし、過去には、養子縁組を乱発した行き過ぎた節税策が、横行したことがありました。
このため、行き過ぎた節税策を封じるため、養子の数を制限する規定が盛り込まれました。
養子の数の制限では、実子と判定する養子の見方が難解なケースがあります。
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