相続財産は、プラスとは限りません。
中には借金の方が多いケースもあります。
そんな場合は、3か月以内に相続を放棄すればよいのですが、相続放棄には重大な影響があります。
そこで、相続放棄がもたらす重大な影響を取り上げます。
相続放棄の影響
相続の放棄は、次のような影響があります。
特に重大なのは③です。
- 初めから相続人でなくなる
- その子供は代襲相続人にならない
- 次の順位が相続人になる
- 相続税の基礎控除は変わらず
- 生命保険金の非課税枠は変わらず
- 退職手当金の非課税枠は変わらず
- 生命保険金の非課税を使えない
- 退職手当金の非課税を使えない
初めから相続人でなくなる
事例で説明します。

父親の相続の際に、多額の銀行借入が判明。
このため、長男Aと次男Bが共に3か月以内に相続放棄しました。
すると、長男と次男は初めから相続人となりません。
この結果、孫Cは代襲相続人にならず、祖父母などがいないと兄E(伯父)が相続人になります。
つまり、父親の債務は兄E(伯父)が引継ぐことになります。
しかし、通常、伯父Eは相続人になることを予想していない可能性が高く、3か月以内の相続放棄手続を失念することが考えられます。
兄E(伯父)が多額の借入金を負担しなければならなくなるという重大な弊害を防ぐためには?
期限に遅れずに相続を放棄するため、長男と次男は相続放棄する際に、兄E(伯父)にその旨を連絡することが望まれます。
※相続の放棄をしようとする者は、3か月以内にその旨を家庭裁判所に申述しなければならない。(民法915、938)
※相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。(民法939)
相続税の基礎控除
相続税がかかるかどうかは、基礎控除を超えるかどうかです。
この基礎控除は、法定相続人の人数で決まります。
基礎控除=3,000万円+600万円×法定相続人の人数
この法定相続人とは、相続放棄が無かったものとした場合の相続人となります。
つまり、相続放棄があっても相続税の基礎控除は変動しません。
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生命保険金や退職手当金の非課税枠は同じ
生命保険金や退職手当金の非課税枠は、基礎控除と同じで相続放棄があっても変動しません。
非課税枠は次の計算です。
500万円×法定相続人の人数
法定相続人とは、相続放棄が無かったものとした場合の相続人です。
生命保険金などの非課税を使えない
非課税枠が同じでも、生命保険金や退職手当金の非課税は相続人に限られます。
この場合の相続人からは、相続放棄した人が除かれます。
つまり、非課税枠は変わりませんが、生命保険金を受取っても非課税を使えません。
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相続税のプロの税理士へ
相続税のことはその道のプロ、詳しい税理士に相談しましょう。
相続税はかなり特殊な税金です。
加えて、本当に詳しい税理士、いわゆるプロの税理士が少ないのが実際のところです。
税理士は、全国に約8万人もいます。
しかし、相続税に詳しい税理士はほんの一握りです。
予期せぬ税金がかからないように、相続税のプロの税理士にご相談ください。
相続放棄した場合の相続税には、独特の仕組みがあり注意が必要です。
したがって、プロの税理士に相談したり依頼することは必須です。
相続税のプロの税理士に関するブログもあります、参考になると嬉しいです。
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まとめ
このブログが参考になることを祈念します。
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