相続税を支払うために、相続した不動産などを売却するケースがあります。
税金を払うために売却したら、また税金が!
これでは税負担があまりにも加重。
なので、少しでも軽減したいという特例があります。
具体的には、相続で取得した財産を譲渡した場合に、相続税の税額を取得費に加算するというものです。
今回は、この特例を取り上げます。
加算する相続税額とは

譲渡した相続財産に個別に対応する税額を、譲渡所得の計算の取得費に加算します。
取得費を言い換えると、原価のことです。
通常の取得費に加算できるという特例で、その金額だけ譲渡所得が少なくなります。
前提条件は、
- 譲渡の年の年末(12/31)に確定している相続税額
- 相続税の申告期限が譲渡の翌年のケースでは、期限内申告の相続税額
- 相続から3年10か月以内の譲渡
- 譲渡資産に対応する相続税が加算されます(譲渡益が上限、損失にはなりません)
- 空家特例の3,000万円の特別控除とは、どちらか一方のみです(選択適用)
※譲渡した翌年以後の、相続税の期限後申告は特例の対象外です。
※空家特例の3,000万円の特別控除とは、どちらか一方のみです(選択適用)。
【根拠条文】
租税特別措置法第39条
【出典~国税庁のホームページ】
タックスアンサーNo.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例
【併せて読みたいブログ】
譲渡所得の原価(取得費)とは?その範囲や5%まで・計算基礎その2
加算した相続税額の再計算
相続税の申告後に、修正申告、更正などにより、相続税額が移動することがあります。
その場合には、取得費に加算する金額を再計算します。
なお、当初の相続税額が、譲渡した翌年以後の相続税の期限後申告の場合には、再計算しません。
まとめ
今回は、相続財産の譲渡による譲渡所得の計算で、相続税額を取得費に加算する特例を取り上げました。
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