このブログでは、相続税の節税対策を取り上げています。
しかし、今回はチョット休憩。
平成27年からの増税にスポットライトを当てます。
現在、相続税が注目されているのは、平成27年に増税があったからです。
それまでは、相続税といえば”資産家”だけのものと考えられていました。
平成27年の増税により、資産家でなくても相続税がかかることになりました。
このため、一躍クローズアップされたのでした。
今回は、増税の中身を再チェックします。
なお、目立っていませんが減税もあります。
平成27年からの増税と減税
税金に関することは税法、つまり、法律で決められています。
その理由は、生活に直接関わる大事なことだから。
税金の仕組みや制度の改正は、法律の改正でなされます。
毎年3月頃に、国会で決まります。
相続税や贈与税に関係する法律は、相続税法と租税特別措置法です。
そして、相続税と贈与税に関する大きな改正が、9年前にありました。
※平成25年3月29日に可決・成立。
改正内容の適用は、平成27年1月1日以後の相続・贈与からとされました。
今回は、主な改正を紹介します。
相続税関係
相続税と贈与税の改正を取り上げていきますが、最初に相続税。
基礎控除額の引下げ(増税)
※マスコミが大注目
平成26年12月31日までは、
5,000万円 + 1,000万円 × 法定相続人数
平成27年1月1日以後は、
3,000万円 + 600万円 × 法定相続人数
控除額が60%に減ったので、課税対象が増えました。
つまり、増税です。
※相続税法15条。
この改正によって、いわゆる資産家以外でも相続税がかかることになり、マスコミが連日取り上げました。
新聞やテレビのほか、雑誌でも特集を組んで発信しました。
税率の改正(増税)

少し分かりづらいかもしれませんが、変わったところは次の部分です。
3億円以下の部分が、40% から 45%
6億円を超える部分が、50% から 55%
※相続税法16条。
未成年者控除と障害者控除の引上げ(減税)
相続人が未成年者や障害者である場合、相続税額から一定金額が控除されます。
それぞれの控除額が増額されました。
【未成年者控除】
20歳に達するまでの年数1年につき、
6万円 から 10万円
※相続税法19条の3。
【障害者控除】
85歳に達するまでの年数1年につき、
一般障害者 6万円 から 10万円
特別障害者 12万円 から 20万円
※相続税法19条の4。
小規模宅地等の特例の面積拡大(減税)
ご主人が住んでいる住宅の敷地が対象ですが、対象面積が拡大しました。
240㎡ から 330㎡
※措置法69条の4。
贈与税関係
贈与税についても改正されました。
税率の改正(増税)

少し分かりづらいかもしれませんが、変わったところは次の部分です。
1,500万円以下の部分、40% から 45%
3,000万円を超の部分、50% から 55%
※相続税法21条の7。
特例税率の創設(減税)

両親や祖父母(直系尊属)からの贈与で、もらった人が20歳以上の場合には、軽減された税率で計算することになりました。
110万円の基礎控除を差引いた残額が、300万超の場合には、税率が下がります。
この新しい税率(特例税率)も、平成27年1月1日以後の贈与に適用されます。
※措置法70条の2の5。
相続時精算課税制度(緩和・対象者拡大)
相続時精算課税の特例が、使いやすくなりました。
イ 贈与者の年齢要件の引下げ
贈与の年の1月1日における年齢。
65歳以上 から 60歳以上
ロ お孫さんの追加
それまでは、推定相続人のお孫さんだけでした。
推定相続人のお孫さんとは、養子となっているお孫さんか、既に子供さんが亡くなって代襲相続人のお孫さんです。
改正では、お孫さんは全員対象になりました。
※子供さんでもお孫さんでも、20歳以上という条件があります。
※相続税法21条の9。
※措置法70条の2の6。
相続税等のプロの税理士へ
相続税や贈与税のことはその道のプロ、詳しい税理士に相談しましょう。
相続税や贈与税はかなり特殊な税金です。
加えて、本当に詳しい税理士、いわゆるプロの税理士が実は少ないのが実際のところです。
税理士は、全国に約8万人もいます。
しかし、相続税に詳しい税理士はほんの一握りです。
相続税に詳しい税理士は、普通は贈与税にも詳しいです。
予期せぬ税金がかからないように、相続税等のプロの税理士にご相談ください。
このブログで取り上げた平成27年から増税と減税ですが、その後も改正があり複雑です。
したがって、プロの税理士に相談したり依頼することは、必須といえます。
相続税のプロの税理士に関するブログもあります、参考になると嬉しいです。
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まとめ
このブログがきっかけで、節税できることを祈念いたします。
なお、お困りのことがありましたら、お気軽に問い合わせてください。
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