このブログでは、相続税の節税対策を取り上げています。
奥様に自宅を贈与すると、相続税が節税できます。
この場合、奥様が自宅に住むことが条件となります。
それは、贈与税の配偶者控除を受けることで、ご主人の相続税の対象から外れるからです。
自宅の贈与といっても様々なケースが考えられます。
今回は奥様に贈与した土地に、ご主人が代表を務める会社が建物を建築し、その建物に奥様と共に居住するケースです。
贈与税の配偶者控除に該当せず
ご主人が経営する会社、いわゆる同族会社を介したらどうかというもの。
結論から言うと、このケースでは贈与税の配偶者控除に該当せず、したがって、相続税の節税対策になったとしても、贈与税が発生します。
奥様からすると、もらった土地に居住します。
居住している建物の敷地の贈与なので、配偶者控除を受けられそうです。
しかし、建物を建築した会社に土地を貸していることになります。
ご主人が主宰する会社であり、実質的にはご主人の建築に近いとしても、会社が介在すると同視できません。
このケースでは、残念ながら贈与税の配偶者控除を適用することができません。
もちろん、ご主人が建物を建築して奥様が居住するのであれば、配偶者控除は受けられます。
両者の違いは、建築基準法の建築主の名義だけ?といえますが。
出典:国税庁ホームページ・質疑応答事例
贈与を受けた土地の上に他人が建物を建築し、その建物に当該土地の受贈者が居住した場合の贈与税の配偶者控除
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相続税の節税
ご主人の、相続税の節税という観点から考えてみます。
ご自宅の土地の贈与で、土地が相続財産から減額されます。
奥様は会社から地代を受け取り、家賃を支払います。
3年経てば(贈与加算の期間経過(注))、土地の贈与分だけ相続税が節税できます。
(注)相続税と贈与税の一体化という増税の議論があります。
それによると、生前贈与を相続財産に加算する期間を、3年から10~15年にするといった構想のようです。
令和4年の税制改正は見送られましたが、令和5年からの増税になりそうな勢いです。
※自宅の敷地での小規模宅地等の特例は無くなります。
ご主人の他の宅地等で、事業用、同族会社事業用、貸付事業用での小規模宅地等の特例は使えます。
もしもご主人が建物を建築していれば、建築費相当の出費又は債務が発生。
その分の財産が減少又は債務の増加。
建物は増加しますが、固定資産税評価額で計算し、建築額よりは低くなります。
3年経過せずとも、土地の贈与分だけ相続税が節税できます。
建物の建築費用>建物の固定資産税評価額であり、その分の節税効果があります。
※贈与税の配偶者控除は、相続財産に加算されません。
相続税法19条、21条の6。
※建物の固定資産税評価額は年々下がりますが、急激には下がらないのが実態です。
今回検討したケースでは、贈与税の配偶者控除が使えないことにより、土地の贈与時点で多額の贈与税が発生します。
これでは、相続税の節税どころではないといえます。
※金額次第ではありますが。
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相続税のプロの税理士へ
相続税のことはその道のプロ、詳しい税理士に依頼しましょう。
相続税はかなり特殊な税金といえます。
加えて、本当に詳しい税理士、いわゆるプロの税理士が実は少ないこと。
税理士は、全国に約8万人もいます。
しかし、相続税に詳しい税理士はほんの一握りです。
相続税に詳しい税理士は、通常は贈与税も詳しいです。
予期せぬ税金がかからないように、プロの税理士にご相談ください。
このブログで取り上げた贈与税の配偶者控除は、節税効果が大きいです。
反面、適用ミスの影響・納税額も、大きくなります。
したがって、相続税や贈与税に詳しい税理士に依頼することをお勧めします。
相続税のプロの税理士に関するブログもあります、参考になると嬉しいです。
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まとめ
このブログがきっかけで、節税できることを祈念いたします。
なお、お困りのことがありましたら、お気軽に問い合わせてください。
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