居住用財産の特例 PR

自宅の売却で3,000万円控除。条件、注意点などもプロの税理士へ

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自宅を売却して利益がある場合には、所得税の確定申告で譲渡所得の特例を受けましょう。

それは、マイホームを売却した場合の3,000万円の特別控除です。

この特例を受けると、売却利益が3,000万円までであれば、所得税も住民税もかからないことになります。


(注)

お住いの市町村によっては、国保(国民健康保険)税が高くなることがあります

3,000万円の特別控除をする前の金額で国保税を計算する市町村と、特別控除後の金額で国保料を計算する市町村があります。

詳しくは、お住いの市町村の国保の係に確認願います。



今回はこの特例を取り上げます。

なお、特例ですから条件があります


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3,000万円の特別控除

住んでいる自宅を売った場合。

又は、住んでいた自宅を住まなくなってから3年目の年末までに売った場合です。

ここからは、設例のケースについて説明していきます。


【設例】

Aさんは、令和4年2月に3,500万円で自宅マンションを売却しました。

この自宅の売却の詳細は次のとおりです。

  1. 平成20年3月に2,500万円で購入
  2. 平成20年から令和3年2月まで居住
  3. 買主は面識のない他人(仲介業者の紹介)
  4. マンションは住まい専用
  5. Aさんは、自宅を初めて売却しました
  6. 仲介手数料を89万円支払いました
  7. 売買契約書の印紙代は2万円でした


なお、Aさんは会社員で年末調整を受けていて、自宅の売却以外には確定申告をするものがありませんでした。

Aさんの給与収入は、900万円でした。

給与所得としては、705万円。

※専業主婦の奥様がいて、配偶者控除38万円を受けています。



譲渡所得の計算式

譲渡所得は、次の計算式で計算します。

収入ー原価ー経費ー特別控除=所得

※専門用語では次のとおり。

譲渡価額ー取得費ー譲渡費用ー特別控除=譲渡所得




譲渡所得の計算

式に当てはめて計算してみます。


35,000,000-22,165,000-910,000-11,925,000=0

所得が0のため、課税されません。


なお、原価(取得費)の計算では、購入した金額を建物価格と土地価格に区分し、建物価格を14年の経過年数で償却することになります。

(減価償却の計算)

2,500万円の内、建物価格が1,500万円だったとすると、

1,500万円×0.9×0.015×14=2,835,000円

この計算で、償却された金額分だけ原価(取得費)が少なくなります。

原価(取得費)は、

25,000,000円ー2,835,000円=22,165,000円


しかし、この事例の場合には、いずれにしても特別控除の範囲内であり、所得金額のゼロはそのままです。





3,000万円の特別控除の条件

3,000万円の特別控除には、条件があります。

  1. 所有者が住んでいる自宅又は住まなくなってから3年目の年末までの売却
  2. 建物を取り壊したケースでは、取り壊しから1年以内の売却
  3. 自宅は住まい専用
  4. 住まい以外の部分があるケースは、床面積按分で住まい部分のみが対象
  5. 買主は他人
  6. 親族に対する売却でも特別控除が受けられる場合がある
  7. 自宅の売却が3年に1度
  8. 初めての売却はもちろんOK
  9. 所得税の確定申告で特別控除を受ける





確定申告と注意点

説明してきた事例では、譲渡所得は0、つまり課税されません。

しかし、譲渡所得の影響がいくつかあります。


①配偶者控除

Aさんは会社員で給与がありました。

給与に対する所得税は、勤務先の年末調整で清算が終わっています。

年末調整では配偶者控除を受けていることが考えられます。

設例では、Aさんの給与所得は705万円。


配偶者控除は、所得に応じて変動します。

(合計所得金額)      (基礎控除)

 900万円以下        38万円

 900万円超~950万円以下  26万円

 950万円超~1,000万円以下 13万円

 1,000万円超          0


ここでいう「合計所得金額」には、特別控除前の譲渡所得が含まれます。

給与705万円+譲渡所得1,192.5万円=1,897.5万円

設例のAさんの合計所得金額は、1,897.5万円となり、配偶者控除が受けられません。


②国民健康保険(税)料

最初にも書きましたが、国民健康保険(税)料に影響する場合があります。

お住いの市町村により異なりますが、3,000万円の特別控除で計算する市町村と、特別控除のの金額で計算する市町村があります。

詳しくは、お住いの市町村の国保の係でご確認願います。





所得税の納税

Aさんの譲渡所得は、特別控除を受けて「0」でした。

しかし、配偶者控除が受けられないこととなり、控除額が減ったことに対する所得税の納税が必要になります。


※年末調整の際に、譲渡所得の金額を知らせることで配偶者控除を受けないことができますが、譲渡所得の金額を正確に計算することは難しいといえます。

いずれにしても確定申告は必要なので、そこでの清算で問題ありません。





住宅ローン控除

Aさんは、住んでいた自宅マンションを売却しました。

そこで、新たに自宅を購入することが考えられます。

新たな自宅で10年以上の銀行ローンを組んだ場合、住宅ローン控除という特例に該当します。


(注)

この特例は、3,000万円の特別控除と併用できない場合があります。

併用できない場合とは、建物が別の場合です。

設例のケースは、売却した自宅マンションと新たに購入する自宅が別の建物なので、3,000万円の特別控除と住宅ローン控除は選択適用となり、有利な方を選ぶことになります。

①3,000万円の特別控除を受けないケース

所得税と住民税の合計は、11,925,000円の20.315%で約2,422,500円。


② ローン控除を受けないケース

ローンの年末残高×0.7%、10年~13年分の還付がなくなります。





譲渡所得に詳しい税理士へ

譲渡所得のことはその道のプロ、詳しい税理士に相談しましょう。


譲渡所得はちょっと特殊な税金です。

加えて、本当に詳しい税理士、いわゆるプロの税理士は多くありません。

税理士は、全国に約8万人もいます。

しかし、譲渡所得に詳しい税理士は、実は少ないのが現状です。


このブログで取り上げた、自宅の譲渡で3,000万円の特別控除には、条件や注意点があるほか、他の控除への影響もあります

したがって、予期せぬ税金がかからないように、プロの税理士に相談しましょう。


そんな税理士の探し方は、紹介サイトがお勧めです。

サイトの利用はもちろん無料

一押しは税理士ドットコムです。

公式サイトは、



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まとめ

このブログがきっかけで、節税できることを祈念いたします。


なお、お困りのことがありましたら、お気軽に問い合わせてください

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    kouji
    こんにちは、札幌市在住の税理士の鎌田浩司と申します。 私は相続税、贈与税、譲渡所得などの所得税及び消費税が専門の税理士です。8年前に国税の職場を定年退職して、税理士にWEBライターにと孤軍奮闘中です。 このブログでは、相続税・贈与税・譲渡所得などにお困りの皆様の、参考になると思われる情報を発信しています。 現役の税理士ならではの情報が、皆様のご参考になれば幸いです。