前回は路線価の探し方について書きました。
今回は、前回の続き、角地の評価を説明します。
まずは、1路線に面する土地の計算から。
1路線のみに面する宅地
最も多いのが1路線のみに面する宅地です。

上の路線価は、㎡当たり35万円、地区区分は普通住宅地区を表しています。
評価する宅地が面する道路(路線)は1つだけ。
このケースの路線価は、350千円/㎡。
つまり、1平方メートル当たり35万円です。
宅地全体の評価額は、7,000万円ということになります。
35万円×200㎡=7,000万円
【奥行価格補正】
なお、道路からの奥行距離の長さによって、微調整があります。
専門的には、奥行価格補正率というものを乗じて計算します。
奥行価格補正の率は、地区区分と奥行距離で決まります。
地区区分は、路線価の表示でわかります。
路線価の数字が丸で囲まれていれば普通商業・併用住宅地区、無印なら普通住宅地区になります。
※ 路線価図の上部欄外、地区区分の説明

普通住宅地区の宅地は、奥行距離が10メートル以上24メートル未満では1.0なので路線価そのままです。
★ 評価額
35万円×1.00×200㎡=7,000万円

調整率表は、国税庁のホームページで確認できます。
(参考)
路線価の後ろのEは、借地権割合50%を表しています。
宅地に権利関係がある場合、例えば、地主さんから土地を借りていれば、借地権として50%、3,500万円と計算することを表しています。
35万円×1.00×200㎡×50%=3,500万円
同時に、地主さんの側を底地(そこち)と呼び、こちらも3,500万円になります。
35万円×1.00×200㎡×(1-50%)=3,500万円
角地と準角地
角地(かどち)は、角地と準角地(じゅんかどち)に分けて計算します。
両者の評価上の違いは角地の加算率。

角地は準角地以外。
準角地は、曲がった道路の内側に接している宅地。
角地の評価
図の場合、㎡当たり35万円の2つの路線に面して、かつ、角地です。
地区区分は普通住宅地区。
手順1 正面路線を決定
①正面路線は奥行価格補正後の金額が高い方。
②同額の場合には、路線に接する距離(間口距離)が長い方が正面路線になります。
③間口距離も同じ場合には、実際に正面として利用している方になります。
手順2 角地加算率を確認
普通住宅地区の角地の加算率は、0.03です。
正式には、側方路線影響加算率といいます。
事例の角地の場合
2つの路線ともに、普通住宅地区、かつ、奥行距離が15メートルで、奥行補正率はともに1.00。
間口距離も同じ。
この場合には、実際の利用状況により正面を決めますが、空地のため区別できません。
もっとも、宅地の評価としては、どちらが正面でも同じになります。
角地の評価額
正面(どちらでも同じ)路線価を基に計算します。
(正面)
35万円×1.00=35万円 ・・・・・・①
(側方)
35万円×1.00×0.03=10,500円 ・・②
★ 角地の評価額
(35万円+10,500円)×225㎡=81,112,500円
準角地の評価
角地との違いは、角地加算率(側方路線影響加算率)が 0.02になるだけ。
したがって、評価額は次のようになります。
(側方)
35万円×1.00×0.02=7,000円
★ 準角地の評価額
(35万円+7,000円)×225㎡=80,325,000円
【出典~国税庁のホームページ】
【併せて読みたいブログ】
目次・【評価・相続・贈与】に関するブログを検索しやすくするために
土地や建物の評価方法を説明します・相続税や贈与税の計算に必須です
路線価を実際に探してみます、市街地の宅地の評価は路線価を基に計算
評価明細書を活用
「土地及び土地の上に存する権利の評価明細書(第1表)」に当てはめると、比較的簡単に評価できます。
土地及び土地の上に存する権利の評価明細書には(第2表)があります。
こちらは、権利関係が絡む宅地、借地権などの計算に用います。
どちらの明細書も、国税庁のホームページから入手できます。

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【併せて読みたいブログ】
相続税の税理士選びは3つのポイント、相続税のプロの税理士が説明
目次・【相続税の税理士】に関するブログを検索、相続税の税理士選び
まとめ
このブログでは、角地を実際に評価してみました。
ご主人の参考になると嬉しいです。
なお、お困りのことがありましたら、お気軽に問い合わせてください。
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