相続税の小規模宅地等の特例には、居住用など5形態ありますが、その内の「貸付事業用の宅地等」について、取扱いのポイントや注意点をまとめてみました。
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忘れずに受けたい「小規模宅地等の特例」は、期限内申告で多額の節税
貸付事業用は200㎡まで▲50%
貸付事業用以外の居住用や事業用などが無い、又はあっても選択しない場合。
貸付事業用の宅地は、評価額の50が減額されます。
ただし、200㎡が上限になります。
なお、居住用、事業用、同族会社事業用及び貸付事業用の2種類以上を選択する場合では、限度面積の計算があります。
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限度面積をオーバーした場合には、全部が小規模宅地等の特例の対象外
貸付事業とは?
相続開始の直前において、被相続人等の貸付事業に供されていた宅地等については、
- 申告期限まで貸付を承継・継続
- 保有を継続
という要件を満たすことで、200㎡までの評価額が半額(▲50%)になります。
その際の貸付事業とは、次のものです。
- 不動産貸付業
- 駐車場業
- 自転車駐車場業
- 準事業
※「準事業」とは、事業と称するには至らない不動産の貸付けその他これに類する行為で、相当の対価を得て継続的に行うもの。
被相続人等の貸付事業用
貸付事業用では、
- 被相続人の貸付事業
- 被相続人と生計一の親族の貸付事業
があり、これをまとめて「被相続人等の貸付事業用」といいます。
なお、それぞれには要件があります。
①の被相続人の貸付事業には、事業承継要件と保有継続要件があります。
事業承継要件とは、被相続人の貸付事業を相続又は遺贈で取得した親族などが、相続税の申告期限(10か月)までに貸付事業を引き継ぎ、継続していること。
保有継続要件とは、文字どおり相続税の申告期限まで宅地等を保有していること。
②被相続人と生計一の親族の貸付事業では、事業継続要件と保有継続要件があります。
事業継続要件とは、相続開始前から相続税の申告期限(10か月)まで、貸付事業を継続していること。
保有継続要件とは、文字どおり相続税の申告期限まで宅地等を保有していること。
※「生計一」とは?
日常生活の糧を共通にしていること。
同居であれば生計一と推計されるほか、別居であっても生活費、学資金、療養費等の送金がされている親族。
※「親族」とは?
6親等内の血族と、3親等内の姻族。
相続開始前3年以内の貸付
平成30年の改正で新たにできたもので、相続開始直前(3年前)に貸し付けられた宅地等が、小規模宅地等の特例の対象から外れます。
この改正には、経過措置があります。
これにより、平成30年4月1日から令和3年3月31日までの間の相続では、平成30年4月1日以後に新たに貸し付けられた宅地等が特例から除かれます。
(注)
相続開始直前3年以内に新たに貸し付けられた宅地等であっても、相続開始の日まで3年を超えて引き続き貸付事業(準事業以外)を行っていた、被相続人等の貸付事業用の宅地等については、貸付け開始が相続開始の直前であっても除外されません。
相続、遺贈や死因贈与で取得
小規模宅地等の特例の対象は、相続、遺贈(遺言)又は死因贈与による取得に限られます。
相続税の対象ではあるものの、次の原因での取得は対象外です。
- 相続開始前3年内贈与加算
- 相続時精算課税
※租税特別措置法第69条の4第1項
同 法 第69条の2第1項
信託受益権
相続又は遺贈(死因贈与を含む)により取得した信託に関する権利(信託受益権)で、信託の目的となっている信託財産に属する宅地等で、相続開始直前に被相続人等の事業用や居住用などに供されているものは、特例の対象になります。
※相続税法第9条の2第6項
租税特別措置法通達69の4-2
宅地等の選択替えはできません
小規模宅地等の特例は、相続税の申告期限までに取得して、適用を受ける宅地等を選択して申告する必要があります。
申告期限後では、原則として選択替えが認められませんので注意が必要です。
相続税のプロの税理士へ
相続税のことは、その道のプロ・詳しい税理士に相談しましょう。
相続税はかなり特殊な税金です。
加えて、本当に詳しい税理士、いわゆるプロの税理士が少ないのが実態です。
税理士は、全国に約8万人もいます。
しかし、相続税に詳しい税理士はほんの一握りです。
このブログで取り上げた小規模宅地等の特例は、減額される税額が多額なので注意が必要です。
したがって、プロの税理士に相談したり依頼することは、必須といえます。
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まとめ
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