生前の贈与では、110万円を超えると贈与税がかかります。(※)
このことを専門的は暦年課税と呼んでいます。
それは、贈与でもらった金額を1年間合計して110万円を超えるかどうか計算する、1年ごとの課税だからです。
※令和5年から、贈与税の課税方式が改正されそうです。具体的な内容は不明ですが110万円控除が廃止されるかも。
贈与税の計算では、暦年課税以外にもう一つ、相続時精算課税というものがあります。
これは文字どおり、贈与者の相続税で精算する方式で、贈与時点では累計2,500万円まで贈与税がかからないというものです。
- 贈与税がかからない金額が桁違い
- 子供や孫の起業を応援しやすい
- 相続時には相続税がかかる
- 相続税の節税対策になりにくい
今回は、相続時精算課税を取り上げます。
精算ですから税金の戻りもあるということ。
相続税が後でとられるから、相続税の節税効果が少ないからと敬遠されがちです。
しかし、上手に活用すればメリットもある制度です。
具体的には、
- 値上がりが予想される土地の贈与は割安になる
- アパートなどの収益物件の贈与で収益を移転
- 子供や孫の事業や起業を必要な早期に支援できる
- 精算で基礎控除以下なら相続税も無税
相続時の贈与税額控除
相続時精算課税では、2,500万円まで贈与税がかかりません。
※相続税法21条の9、21条の12。
ただし、贈与した父母や祖父母が亡くなった時に、相続財産に加算して精算します。
この場合、贈与が3年以上前でも加算します。
さらに、相続しない場合でも相続財産に加算されます。
つまり、将来の相続税で精算という条件付きになります。
なお、贈与時に贈与税を納めるとどうなるか?
もちろん納めた贈与税も清算対象です。
この点を、具体例で説明します。
具体例・贈与税額控除
例えば、ご主人から3,000万円もらった長男が、贈与税の相続時精算課税を適用した場合。
2,500万円を超える500万円部分には、一律20%の贈与税(100万円)がかかります。(※1)
将来、ご主人に相続が発生した際に、3,000万円が相続財産に加算されますが、相続税と贈与税が2重課税になります。
そこで、長男の相続税から贈与税100万円を差引きます。(※2)
※1 相続税法21条の13。
※2 相続税法21条の15、21条の16。
贈与税の還付
長男の相続税額が贈与税額よりも少ないケースでは、引ききれない金額の還付を受けることができます。
もちろん相続税がかからないケースでも、贈与税の還付を受けることができます。
つまり、「精算」には納める場合と戻るケースがあります。
【併せて読みたいブログ】
目次・【贈与税の相続時精算課税】に関するブログを検索しやすく
プロの税理士に依頼
相続税や贈与税のことはその道のプロ、詳しい税理士に依頼しましょう。
これらは、かなり特殊な税金といえます。
加えて、本当に詳しい税理士、いわゆるプロの税理士が実は少ないという事実。
税理士は、全国に約8万人もいます。
しかし、相続税や贈与税に詳しい税理士はほんの一握りです。
予期せぬ税金がかからないように、プロの税理士にご相談ください。
相続税のプロは、贈与税にも詳しいです。
このブログで取り上げた相続時精算課税では、2,500万円までなら贈与税が絶対にかからないというものではありません。
特例なので、条件があり、手続きが必須です。
適用できない場合の税額が多額なので注意が必要です。
したがって、プロの税理士に相談したり依頼することは、必須といえます。
少数のプロの税理士探しは、紹介サイトの利用がお勧めです。
一押しは、税理士ドットコムです。
サイトの利用はもちろん無料ですから安心です。
公式サイトは、

相続税のプロの税理士に関するブログもあります、参考になると嬉しいです。
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相続税が専門の現役税理士がお勧めする相続税の税理士探し。【無料】
目次・【相続税の税理士】に関するブログを検索、相続税の税理士選び
まとめ
このブログがきっかけで、節税できることを祈念いたします。
なお、お困りのことがありましたら、お気軽に問い合わせてください。
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