ご主人には、相続税の心配はありませんか?
相続税は、平成27年からの増税で注目を集めました。
そして、昨年頃から、贈与税の暦年課税(110万円)を使った節税策が封じられそうだと話題を集め、週刊誌などでも特集を組んでいますので、関心がおありのことと思います。
節税することは合法です。
極端な節税対策(※)でなければ、税務当局から否認されることはないでしょう。
※最近の事例では、タワーマンションの購入や、多額のローンを用いたアパート建設。
極端な例では、数億円の相続財産に対する相続税がゼロになって、見過ごせない著しく不公平な事例として財産評価通達によらずに節税策が否認されたものがあります。
つまり、誰が見てもやり過ぎなら、否認されるリスクが高くなるということです。
ところで、オシドリ贈与と呼ばれている贈与税の配偶者控除を使った節税策があります。
これにより、相続税を大きく節税できます。
これは、配偶者に自宅を贈与するものですが、金額的にも上限が2,000万円であることなどから、当局から否認されることは考えられにくいものです。
(注)贈与税の配偶者控除にはデメリットもあります。
【併せて読みたいブログ】
相続税の節税目的で贈与税の配偶者控除を受けるメリットとデメリット
今回は、アメリカ人夫婦間の自宅の贈与を取り上げています。
贈与税の配偶者控除を適用する際には、夫婦間の贈与であることを戸籍謄本・抄本で証明することが求められるのですが、アメリカ人の場合には日本の戸籍が無いため、証明手続をどのようにするかという実務的な疑問がありますので、そこのところを説明します。
贈与税の配偶者控除
マイホームを奥様にあげる!
節税のポイントは、贈与税の配偶者控除を受けた財産は、相続財産に加算されないこと。
したがって、配偶者控除の分だけご主人の相続財産が減ります。
配偶者控除は最大2,000万円。
生前に、元気な時に、財産をあげることが贈与です。
多くの場合は、タダで財産をあげること。
贈与税の配偶者控除の概要
これは、夫婦間の贈与の特例です。
※相続税法21条の6。
奥様に、次のいずれかの贈与をします。
- 奥様が住んでいる家
- 奥様が住む家の購入資金
婚姻期間が20年以上なら、2,000万円の配偶者控除が受けられます。
さらに、基礎控除の110万円(※)と合わせて、合計2,110万円まで贈与税がかかりません。
※措置法70条の2の4。
贈与税の配偶者控除の要件(条件)
- 婚姻期間が20年以上の夫婦間
- 奥様の居住用の自宅の贈与
- 翌年3月15日までに住み、住み続ける
- 翌年3月15日までに申告する
- 同一の配偶者からは1回だけ
ところで、贈与税は相続税の補完税です。
贈与によって相続財産が減らないようにするため、次の2つの仕組みがあります。
- 贈与税は相続税よりも高い
- 3年以内の贈与は相続財産に加算する
しかし、贈与税の配偶者控除を適用した財産は、相続財産へ加算されません。(※)
※相続税法19条1項かっこ書き。
※特定贈与財産といい、限度は2,000万円。
したがって、贈与税の配偶者控除の分だけ相続財産が減少します。
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奥様に自宅を贈与すると相続税が節税。プロの税理士が仕組みを説明!
婚姻期間の証明書類
ご主人が、自宅を奥様に贈与する場合で説明します。
贈与税の配偶者控除を受けるためには、贈与の翌年の確定申告の時期に、奥様の名前で贈与税の申告書を提出します。
申告書には次の添付書類が必要です。
- 奥様の戸籍謄本又は抄本
- 奥様の戸籍の附票の写し
- 自宅の登記事項証明書
これらの書類によって、夫婦間の贈与であり、かつ、婚姻期間が20年以上であることを証明します。
ところで、アメリカ人の夫婦間では、奥様の戸籍関係書類が用意できません。
そこで、夫婦の婚姻地及び婚姻前の国籍により、戸籍謄(抄)本に代わるものとして次のものを添付します。
- 婚姻届の受理証明書
- 婚姻届出書に基づく記載事項証明書
出典:国税庁ホームページ・質疑応答事例
日本国籍を有しない者が受ける贈与税の配偶者控除に係る贈与税の申告書の添付書類
相続税のプロの税理士へ
相続税のことはその道のプロ、相続税に詳しい税理士に相談しましょう。
相続税はかなり特殊な税金といえます。
加えて、本当に詳しい税理士、いわゆるプロの税理士が実は少ないこと。
税理士は、全国に約8万人もいます。
しかし、相続税に詳しい税理士はほんの一握りです。
相続税に詳しい税理士は、贈与税にも精通しています。
予期せぬ税金がかからないように、相続税のプロの税理士にご相談ください。
相続税のプロの税理士に関するブログもあります、参考になると嬉しいです。
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まとめ
このブログがきっかけで、節税できることを祈念いたします!
なお、お困りのことがありましたら、お気軽に問い合わせてください。
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