今回は、奥様の特例を活用した2次相続までの節税策を検討します。
- 贈与税の配偶者控除
- 配偶者の相続税額の軽減
- 小規模宅地等の特例
この3つの特例を最大限に活用し、なおかつ、1次相続と2次相続のトータルで節税するには、どうしたらよいか?
計算過程は後程ご覧いただきますが、結論は以下の3点です。
- 自宅の家屋部分を生前に奥様に贈与
- 自宅の土地で小規模宅地等の特例
- 配偶者の相続税額の軽減は控えめに
奥様の特例を活用します
奥様の特例は、相続税と贈与税にあります。
◎相続税 ~ 配偶者の相続税額の軽減
これは、法定相続分又は1億6,000万円まで、配偶者に相続税がかからない特例。
◎贈与税 ~ 配偶者控除
配偶者の自宅又は自宅購入資金の贈与は、2,000万円まで控除される特例。
これらの特例を活用した節税策は既に取り上げました。
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2次相続までの節税策
これまでは、ご主人の相続税の節税を目指していました。
しかし、大変失礼な話ですが、奥様もいつかは亡くなられます。
その奥様相続を2次相続といいます。
今回は、設例に基づいて、奥様の相続までを考慮した節税策を考えてみます。
設例
相続人は奥様と子供さん2人。
ご主人の現在の財産は4億円。
贈与税の配偶者控除
まずは、ご主人がお元気なうちに自宅の家屋を奥様に贈与して、贈与税の配偶者控除を適用します。
配偶者控除の金額(最大2,000万円)は、3年以内であっても相続財産に加算しませんので、確実にご主人の相続財産を減額できます。
贈与税としては、基礎控除110万円部分も無税なので、2,110万円まで贈与します。
なお、贈与が3年以内になった場合には、110万円は相続財産に加算されます。
※相続税法21条の6。
小規模宅地等の特例
次に、ご主人の相続税では自宅の敷地を奥様が相続します。
これで、敷地330㎡までは、小規模宅地等の特例で20%に減額できます。
奥様が相続するケースは無条件で、保有継続などの条件がありません。
※措置法69条の4。
贈与税の配偶者控除と小規模宅地等の特例で、相続財産を▲6,910万円減額できます。
配偶者の相続税額の軽減
ここが今日のテーマです。
ご主人の相続で、配偶者の税額軽減をどこまで活用するか?
※相続税法19条の2。
★検討結果
- 法定相続分1/2まで相続したケース
- 5,000万円に抑えたケース
★配偶者の税額軽減を5,000万円に抑えた方が、1次と2次のトータルで、271万円節税になりました。
★2次相続の基礎控除は4,200万円のため、課税対象は2,910万円。
節税対策で2,910万円減額できれば2次相続の納税額は0。
➡ トータルで、562万円の節税に。
★相続の仕方による納税額の比較
①奥様の特例を最大限利用
※配偶者の相続税額の軽減 ➡ 法定相続分(1/2)まで無税
②奥様の特例(配偶者の相続税額の軽減)を5,000万円に抑制
配慮すべき大切なこと!
ここまでの節税対策で、配慮すべき大切なことがあります。
それは、奥様の生活を優先させるべきという当たり前のこと。
節税ばかりを気にしていると、ともすれば肝心の奥様自身のことを忘れそうになります。
今回の検討では、自宅を奥様に確保しました。
その上で、奥様自身の蓄え・預貯金をゼロで計算しています。
ご主人の相続では、奥様に必要十分な預金を確保すること。
このことに最大限の注意を払うべきです!
まとめ
このブログでは、奥様の特例を活用した2次相続までの検討で、トータルでの節税を試算しました。
個別の状況により結論は大きく異なります。
1次相続では、満額の特例適用が必ずしも有利とは限らないこと。
実際の節税策の検討では、相続税のプロの税理士に依頼して、上手に節税しましょう。
相続税や贈与税が専門の税理士の探し方は、税理士紹介サイトの利用がお勧め。
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最後までご覧いただきありがとうございました。
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