今回も宅地の評価を取り上げます。
広大な宅地のケースでは、通常の住宅地価格より安くなることが想定されます。
それは、次の要因によります。
- 開発行為による道路・公園などの公共施設用地の確保
- 区画形質変更の工事費用が必要
したがって、広大な土地が歓迎されるマンション用地などを除いて、通常の路線価に基づく評価額に、広大であることを理由とする減額ができます。

このブログでは、平成29年に新設され平成30年から適用されている、通達「地積規模の大きな宅地の評価」を説明します。
※財産評価基本通達20-2
規模格差補正率
地積規模の大きな宅地の評価では、3大都市圏とそれ以外に分けて、地積規模の大きさの程度に応じて、規模格差補正率を基に減額できます。
地積規模の大きな宅地の評価の対象となる宅地は、路線価地域においては、普通商業・併用住宅地区及び普通住宅地区に所在するものです。
なお、倍率地域においては、地積規模の大きな宅地であれば対象となります。
規模格差補正率の内容は、3大都市圏で20%~31%程度の減額。
3大都市圏以外では、22%~31%程度の減額になります。
※3大都市圏とは、首都圏及びその近郊、近畿圏及びその近郊、中部圏の都市整備区域。
★ 規模格差補正率
規模格差補正率は、次の算式で計算します。

※ B、Cは以下のとおりです。

(注)対象外の宅地
地積規模が大きくても、次の宅地は対象から外れます。
- 市街化調整区域
- 工業専用地域
- 指定容積率400%以上の地域
- 東京都の23区内は、同300%以上の地域
- 大規模工場用地
- 路線価地域の普通商業・併用住宅地区及び普通住宅地区以外
※なお、倍率地域の宅地も格差補正の対象になります。
【出典~国税庁のホームページ】
具体的な計算・3大都市圏
東京、大阪及び名古屋の路線価地域で、普通商業・併用住宅地区及び普通住宅地区にある地積規模の大きな宅地について、減額される割合を試算してみました。
試算結果は、20%~31%程度の減額。
★ 計算式
評価額=路線価×奥行価格補正率×不整形地補正率などの各種画地補正率×規模格差補正率×地積(㎡)
この計算で、地積規模の大きな宅地の評価とそれ以外の評価で異なるところは、規模格差補正率の有無だけです。
したがって、減額される割合は、「規模格差補正率」によることになります。
そこで、3大都市圏に所在する宅地について、地積規模ごとの規模格差補正率を計算してみました。
- 500㎡の規模格差補正率 0.8
- 990㎡で、 ・・・・・ 0.78
- 1,000㎡も ・・・・・ 0.78
- 2,900㎡は、 ・・・・・ 0.74
- 3,000㎡も、 ・・・・・ 0.74
- 4,900㎡は、 ・・・・・ 0.71
- 5,000㎡も、 ・・・・・ 0.71
- 7,000㎡は、 ・・・・・ 0.69
以下は、若干率が下がります。
10,000㎡で、0.67。
※規模格差補正率以外の、路線価、奥行価格補正率、不整形地補正率などの各種画地補正率は省略しました。
具体的な計算・3大都市圏以外
3大都市圏と同様に、規模格差補正率により減額される割合を試算してみました。
試算結果は、22%~31%程度の減額。
- 1,000㎡は、 ・・・・・ 0.78
- 2,900㎡は、 ・・・・・ 0.74
- 3,000㎡も、 ・・・・・ 0.74
- 4,900㎡は、 ・・・・・ 0.72
- 5,000㎡も、 ・・・・・ 0.72
- 7,000㎡は、 ・・・・・ 0.69
以下は、若干率が下がります。
10,000㎡で、0.68。
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【併せて読みたいブログ】
相続税の税理士選びは3つのポイント、相続税のプロの税理士が説明
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まとめ
このブログでは、地積規模の大きな宅地の評価を取り上げました。
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